エランテ週間分析: 2025年7月28日 – 8月1日
エランテ週間分析: 2025年7月28日 – 8月1日
・今週の注目ポイント
- FOMC政策金利発表:水曜日のFOMC会合が今週の注目イベントとなります。利上げ・利下げともに見込まれていませんが、今後の金融政策に関する見通しや記者会見が、米ドル通貨ペア、株式、金市場に大きな動きが出る可能性があります。
- 米雇用統計:金曜日に発表されるNFP、失業率、平均時給は、米国経済の底堅さという見解を試すことになります。結果が弱ければハト派的な期待が強まり、好結果であれば米ドルへの支持が回復する可能性があります。
- ユーロ圏およびドイツのCPI:ドイツおよびユーロ圏のインフレ指標は、次回の欧州中央銀行の会合に向けたユーロ関連通貨の動向に影響を与える見込みです。
- カナダ・日本の中央銀行会合:カナダ銀行および日本銀行も会合を開催予定であり、金利変更は見込まれていませんが、金融政策に関する見通しによって、特に米ドル/日本円やカナダドル関連通貨の投資家心理が変化する可能性があります。
・今後の展開は?
FOMC、雇用統計、関税期限が交錯する緊迫の週
今週は、FOMC(米連邦公開市場委員会)政策金利発表、日本銀行の金融政策決定、米雇用統計、そして重要な関税合意の期限といった注目度の高いイベントが重なり、市場にとって正念場となります。週初には株価が史上最高値を更新したものの、MSCI世界株価指数は高値から反落し、日経平均株価および東証株価指数も好調な上昇の後に調整局面に入っています
市場の焦点は高揚感から脆さへ移行
FRBが政策金利を4.50%で据え置くことは広く予想されていますが、パウエル議長の記者会見に注目が集まり、今後の利下げ見通しのヒントが探られます。米国のマクロ経済指標はまちまちで、消費者信頼感は軟化、求人件数も減少傾向にある一方、前回の雇用統計はやや予想を上回りました。DXY(米ドル指数)は4週ぶりに下落しており、金曜日の雇用および賃金に関する情報次第では、2025年第4四半期に向けたFRBの方針に大きな影響を与える可能性があります。
技術株の変動と通商摩擦が複雑性を加える
市場心理は、米国の技術関連企業の収益発表における新たな変動にも敏感です。アルファベットの好決算によりナスダックは新高値を記録しましたが、セクターの勢いは不均一であり、インテルの株価は金曜日の市場開始前に業績見通しの下方修正と計画削減を受けて5%下落しました。アマゾン、アップル、メタ、マイクロソフトはいずれも、今後の決算で関税への懸念に触れる見込みです。もし通商摩擦が激化し、企業業績が失速するようであれば、これまで株価を支えてきた「楽観的な見方」は急速に崩れる可能性があります。
米ドルはもはや究極の安全資産ではない?
注目すべき変化のひとつは、米ドルの安全資産としての地位が薄れていることです。株式市場でリスク回避の動きが見られるにもかかわらず、DXYは著しい週次下落に向かっています。この乖離は、政策の不透明感、米国の財政懸念、リスク選好と米ドルとの相関関係の変化が支配的な要因になっていることを示唆しています。リスク回避=ドル高という構図はもはや通用しない、これは外国為替取引における重要な体制の変化です。
中央銀行は「様子見」姿勢、政策の分岐が拡大
中央銀行に関しては、FRBおよび欧州中央銀行は金利を据え置く見込みであり、金融市場では2025年残りの期間に42ベーシスポイントの利下げが織り込まれています。欧州中央銀行の一時停止、日本銀行の政策決定なども、世界的に金融政策の方向性が分かれる様子を反映しています。さらに、トランプ大統領がパウエル議長に圧力をかける動きや、大統領がFRBを訪問するという異例の事態も、政治リスクの高まりを示しています。
欧州と商品市場:持続する低インフレと中国の動向に注目
欧州市場は低インフレの流れにとどまっており、ユーロ圏およびドイツの消費者物価指数は、こうした軟調さが続いていることを裏付け、欧州中央銀行の緩和的な姿勢を維持するものと見込まれています。ドイツ国債の利回りはわずかに上昇していますが、ユーロは安定を維持しています。一方、商品市場では中国のPMI(購買担当者景気指数)の発表および世界的なリスク動向の変化が影響します。金価格は勢いを失い、技術的な転換点に差し掛かっており、原油価格も在庫情報やより広範な経済情勢に反応しています。
見解
Erranteの教育部門責任者Ali Mortazavi氏は次のように述べています。
「株式市場が高値圏で一服する中で、FRBと日本銀行の会合、トランプ大統領による関税期限など、来週は第3四半期の市場の方向性を占う重要な局面になります。私は、今後のボラティリティ上昇を予想しており、トレーダーは政策方針、経済指標、地政学リスクのすべてを慎重に見極める必要があります。信念ある取引には厳格な損切りを設け、市場予想と実際の結果のギャップが最も大きい分野に注目すべきです。特に米ドル、米ハイテク株、EUR/USD、主要商品市場が鍵を握るでしょう。」
・今後の経済指標・イベント(GMT+9)
2025年7月28日(月)
重要な経済指標の発表なし
2025年7月29日(火)
23:00 – USD:消費者信頼感指数(7月)
23:00 – USD:JOLTS求人件数(6月)
2025年7月30日(水)
17:00 - EUR:ドイツGDP(前期比、第2四半期)
21:15 - USD:ADP民間雇用者数(7月)
21:30 - USD:GDP(前期比、第2四半期)
22:45 - CAD:カナダ中銀 政策金利発表
23:30 - USD:原油在庫
2025年7月31日(木)
03:00 - USD:FOMC声明・政策金利発表(予想:4.50%据え置き)
03:30 - USD:FOMC記者会見(パウエル議長)
10:30 - CNY:製造業PMI(7月)
12:00 - JPY:日銀 政策金利発表
21:00 - EUR:ドイツCPI(前月比、7月)
21:30 - USD:PCEコア価格指数(前年比・前月比、6月)
21:30 - USD:新規失業保険申請件数
22:45 - USD:シカゴPMI(7月)
2025年8月1日(金)
18:00 - EUR:ユーロ圏CPI(前年比、7月)
21:30 - USD:平均時給(前月比、7月)
21:30 - USD:非農業部門雇用者数(NFP、7月)
21:30 - USD:失業率(7月)
22:45 - USD:S&Pグローバル製造業PMI(7月)
23:00 - 米ドル(USD):ISM製造業PMI(7月)、ISM製造業価格指数(7月)
マーケット分析:注目すべき主要チャート
DXY(米ドル指数)– 日足チャート

DXYは第2四半期から明確な下降トレンドにあり、100週移動平均線(100-WMA)を下回って推移しています。98.90〜99.00のレジスタンスを回復できておらず、最新の反発もフィボナッチ戻し61.8%(98.25付近)で頭打ちとなり、現在は97.75をわずかに上回る水準まで後退。モメンタム・オシレーター(ストキャスティクス、RSI)は底打ちの兆しを示すものの、明確な上昇シグナルは確認できません。MACDもわずかにマイナス圏を推移しており、上昇モメンタムの弱さを示しています。
見通し
DXYが98.95および100週移動平均線を下回る限り、下落トレンド継続の見方が優勢です。直近のサポートはボリンジャーバンドの中央付近(97.75)で、これを明確に下抜ければ、97.10、さらにはグローバルなリスクセンチメントの改善次第で96.50までの下落余地が広がります。
主要レベル
サポート: 97.75、97.10、96.50
レジスタンス: 98.25(フィボナッチ61.8%)、98.95、99.45、100.09
代替シナリオ
98.25を終値で上回った場合、短期的な反転の可能性が浮上します。この場合、99.45、さらには心理的節目である100.00の水準を目指す展開も考えられますが、これは予想を大きく上回る米経済指標とタカ派的なFRB姿勢が条件となります。
XAU/USD – 日足チャート

金は$3,439~3,450のレジスタンスで繰り返し上昇を阻まれ、小さなダブルトップを形成しています。一方で、上昇トレンドライン($3,309)を下回らず、長期加重移動平均線が上昇基調を維持しているため、中長期的には強気の構造が保たれています。モメンタム系指標(ストキャスティクス、MACD)は中立〜やや強気、RSIは50付近で推移しており、方向感は乏しいながらも、買い意欲の底堅さを示唆しています。
見通し
$3,309を維持する限り、金は堅調地合いを維持します。買い手が$3,359〜3,408(フィボナッチ61.8%および23.6%)のレンジを取り戻せば、再び$3,439〜3,450のレジスタンスへの挑戦、さらにはFOMCがハト派的だった場合や経済指標が期待を下回った際には$3,500への上昇が視野に入ります。
主要レベル
サポート: $3,309、$3,275、$3,230
レジスタンス: $3,359、$3,408、$3,439〜3,450、$3,500
代替シナリオ
$3,309を明確に下抜けた場合、中期的な上昇トレンドは一旦終了となり、$3,275、さらには$3,230(フィボナッチ161.8%)への下落リスクが浮上します。これは特に、FOMCがタカ派的な姿勢を示したり、NFPが市場予想を大幅に上回った場合に想定されるシナリオです。
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