エランテ週間分析: 2025年6月2日 – 6月6日
エランテ週間分析: 2025年6月2日 – 6月6日
・今週の注目ポイント
- 金曜日のアメリカ雇用統計(NFP):注目が集まる米国の雇用統計。予想は13万人と、前回の17.7万人から減少。
- カナダ銀行(BoC)と欧州中央銀行(ECB)の政策決定:利下げが見込まれており、CADとEURの通貨ペアは下押し圧力。
- 関税をめぐる不透明感の高まり:アメリカの裁判所がトランプ大統領によるEUへの関税提案に異議を唱え、市場の変動性が再び高まる。
・今後の展開は?
米国の雇用、関税、中央銀行の政策転換に注目
今週は、市場の耐性が次の3つの要因によって試されることになります。激化する通商摩擦、米国雇用の減速、そして主要中央銀行の政策決定です。トランプ大統領によるEU製品およびアップルなどのテクノロジー企業への50%の関税導入の脅しは、地政学的な懸念を再燃させています。司法が行政による関税方針の一部にブレーキをかけたとはいえ、市場への影響はすでに顕在化しています。S&P500の先物は下落し、ナスダック100指数も2%下落しています。
債券市場では景気後退リスクと財政不安が織り込まれ始めています。米国10年債の期間プレミアムは1%近くまで上昇し、これは数か月ぶりの水準です。ムーディーズによる米国債の格下げは、長期的な信用力への疑念を強めています。ドルの安全資産としての需要は、金や日本円への資金流入と競合しており、ドル指数は104を下回った水準で足踏み状態です。
マクロ経済環境は再び「守り」の姿勢に傾いています。米国の政策に起因する関税ショック、雇用の減速、そしてECB・BoCによる金融緩和が重なることで外国為替市場では相場が大きく動き出す可能性が高まっています。そのため、リスク意識を持ちつつ、柔軟な戦略が求められます。
結論
地政学的な衝撃、財政に対する不安、そして今後発表されるインフレ指標により、今週は極めて重要な一週間となります。外国為替市場では、NZD、EUR、CAD、USDの動向に注目が必要です。また株式市場では、ボラティリティの継続に備える必要があります。株式市場では、引き続き値動きの激しさに備えるべきでしょう。市場心理が脆弱な中、ワシントンやフランクフルトから発信される見出しが、あらゆる資産の投資姿勢に影響を与える可能性があります。
・今後の経済指標・イベント(GMT+9)
2025年6月2日(月)
23:00 – USD – 製造業購買担当者景気指数(ISM)
→ 予想:49.3(前回:48.7)
2025年6月3日(火)
時間未定 – JPY – 日本銀行 植田総裁 発言
02:00 – USD – FRB パウエル議長 発言
15:30 – CHF – 消費者物価指数(CPI)前月比
→ 予想0.2%
23:00 – USD – 求人労働異動調査(JOLTS)
→ 前回 719万人
2025年6月4日(水)
10:30 – AUD – 国内総生産(GDP)前期比
→ 予想0.4%(前回0.6%)
21:15 – USD – ADP雇用統計
→ 予想11万人(前回6.2万人)
22:45 – CAD – カナダ銀行 政策金利声明&翌日物金利
→ 予想2.50%へ利下げ
23:00 – USD – CPI(前年比)
→ 予想52.0
23:30 – CAD – カナダ銀行 記者会見
2025年6月5日(木)
21:15 – EUR – 欧州中央銀行 政策金利発表
→ 予想2.15%(前回2.40%)
21:30 – USD – 新規失業保険申請件数
→ 予想23.2万件
21:45 – EUR – 欧州中央銀行 記者会見
2025年6月6日(金)
21:30 – CAD – 雇用者数変化および失業率
→ 前回は2.4%。上昇すればRBAの追加緩和が遅れる可能性。
21:30 – USD – 平均時給 前月比
→ 予想0.3%
21:30 – USD – 非農業部門雇用者数(NFP)
→ 予想13万人
21:30 – USD – 失業率
→ 4.2%で横ばい予想
マーケット分析:注目すべき主要チャート
USD/CHF – 日足チャート

USD/CHFは5月中旬の安値(0.8230付近)を下回り、弱気の流れを確認しましたが、現在は過去にも強い支持を示した0.8187で下支えされています。この水準を日足で割り込むと、次の節目は0.8116ですが、オシレーターの動きには反発の兆しが見られます。RSIは43付近で安定、ストキャスティクスは売られすぎ領域から上昇の兆候、MACDヒストグラムも横ばいです。ここからの反発があれば、ボリンジャーバンド上限の0.8440を目指す可能性があります。
主要レベル
レジスタンス: 0.8365、0.8475、0.8554
サポート: 0.8187、0.8116
戦略バイアス:
強い支持帯から横ばい〜上昇の可能性。オシレーターは反発の兆し。
GBP/CAD – 日足チャート

GBP/CADは長期のレジスタンス1.8695で反落し、ボリンジャーバンドの中央線を上抜けられずにいます。短期の上昇方向の傾向線も下抜けされており、下落局面に入りつつある兆しです。RSIは53で勢いに欠け、MACDヒストグラムも横ばい、ストキャスティクスは買われすぎ水準から下落を示しています。
主要レベル
レジスタンス: 1.8679
サポート: 1.8553、1.8519、1.8475
戦略バイアス:
1.8600以下では弱気。さらなる下落に警戒。
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