エランテ週間分析: 2025年5月5日 – 5月9日 

・今週の注目ポイント 

• 米連邦準備制度理事会（FRB）は政策金利の据え置きを決定する見通し。ただし、パウエル議長の記者会見におけるトーン次第では、米ドルの需給バランスに変化が生じる可能性があります。 
• イングランド銀行（BOE）は、景気減速を背景に利下げに踏み切る可能性が浮上。英国経済の鈍化が一段と鮮明になっています。 
• カナダの雇用統計は、前月からの持ち直しを示す内容となる見込み。労働市場の回復基調に市場の注目が集まります。
   

・今後の展開は？ 

今週のマーケットは、FRB（米連邦準備制度理事会）とBOE（イングランド銀行）の政策判断を控え、再び高いボラティリティが見込まれる展開となりそうです。

4月の米雇用統計は市場予想を上回る結果となり、失業率も安定を維持。貿易摩擦や財政面での逆風が続くなかでも、米経済の底堅さを裏付ける内容となりました。
賃金上昇はやや鈍化したことで、目先のインフレ懸念は後退しましたが、市場の早期利下げ期待は一段と後退し、ドル相場は方向感に欠ける展開が続いています。

一方、中国が米国との貿易協議再開に前向きな姿勢を示したことで、株式市場はリスクオンに傾斜。これを受け、AUDやNZDといったリスク感応通貨が上昇し、円やスイスフラン、金といった安全資産には売り圧力がかかりました。

ただし、地政学リスクや関税問題といった不確実性は依然として残っており、為替・コモディティ市場は引き続き不安定な値動きとなる可能性があります。

株式市場では、ダウ平均が直近のサポート割れ水準の回復を試す動きを見せている一方で、米ドルは4月に100を割り込んだ後の反発に苦戦しています。
5月7日のFOMC政策金利発表とパウエル議長の記者会見が、ドル相場の方向性を占う重要なイベントとなります。

イギリスでは、5月9日（木）のBOE政策金利発表が、インフレ圧力と景気停滞の狭間で苦慮する英中銀のスタンスを見極める上で重要な材料となるでしょう。

そのほか、カナダとニュージーランドの雇用統計、スイスのCPI（消費者物価指数）なども、各国・地域の経済の勢いを測る手がかりとして注目されます。

まとめ：
今週は、FOMCとBOEの政策会合がマーケット全体のトーンを決定づける週となります。インフレ圧力の後退と労働市場の強弱混在を背景に、中央銀行は「慎重なハト派」スタンスを維持する可能性が高く、米ドル・英ポンド・カナダドルを中心に値動きが活発化する見通しです。
また、株式インデックスやリスク資産も中央銀行の「先行き指針」に敏感に反応する展開が予想されます。

・今後の経済指標・イベント（GMT+9） 

2025年5月5日（月） 

15:30 -CHF・消費者物価指数（CPI・前月比）

予想：+0.20％
→ 国内の物価上昇圧力は安定的

23:00 –USD・ISM非製造業PMI
予想：50.2（景気拡大・縮小の分岐点50をわずかに上回る）
→ 米サービス業の景況感を測る重要指標
2025年5月6日（火） 
主要な高インパクト指標の発表なし

2025年5月7日（水） 

07:45　– NZD 雇用統計（雇用者数変化率・失業率）
　→ 雇用回復が見込まれる一方、失業率は5.30％へ上昇予想。 

03:00 – USD 政策金利（フェデラル・ファンド金利）
　予想：据え置き（4.50％）
　→ マクロ経済の鈍化を背景に、FOMCはハト派的なトーンを示す可能性あり
03:00 – USD・FOMC声明

世界需要低迷懸念の中での中国工場活動を測る新たな指標
03:30 PM – USD パウエルFRB議長 記者会見
　→ USD相場に直接的な影響を及ぼす注目イベント

2025年5月8日（木） 

20:00 – GBP 政策金利発表＆金融政策声明（BoE）
　予想：4.25%へ利下げ
　→ 金利据え置き票・利下げ票の割合（票割れ）に注目

21:30 – USD 新規失業保険申請件数
　予想：241K（高止まり）
　→ 労働市場の減速傾向を示す可能性

2025年５月9日（金） 

17:40 – GBP ベイリー英中銀総裁 講演
　→ 政策決定後のスタンスや今後の見通しを見極める材料

21:00 – CAD 雇用統計（雇用者数・失業率）
　→ 前月の急減からの反発が予想されており、CADの反応に注目

マーケット分析：注目すべき主要チャート  
AUD/CHF- 日足チャート 

4月に数年ぶりの安値まで下落したAUD/CHFですが、現在は反発局面に入りつつあり、0.5297（フィボナッチ61.8%）上での値固めが進んでいます。直上には重要レジスタンスの0.5340が控え、ここを上抜けられるかが次の展開を占うポイントです。
テクニカル指標では：

• RSI（相対力指数）は51付近で中立圏、モメンタムの偏りは見られません。
• 一方、MACDはシグナルラインを上抜け、強気転換を示唆。買い圧力の強まりがうかがえます。

主要レベル

レジスタンス： 0.5340、0.5372、0.5411

サポート： 0.5297、0.5226

戦略バイアス：

0.5297を明確に維持する限り、強気バイアスが優勢。
ブレイクアウトが確認されれば、0.5411付近までの上昇余地に注目です。 

US30（ダウ・ジョーンズ）- 日足チャート

ダウは40,915の前回の高値を突破し、41,233の抵抗水準をテストしています。RSIは55で、上昇余地があることを示唆しており、MACDはポジティブであり、41,756の127.2%延長ラインに向けての継続が示唆されています。もし41,000を維持できなければ、調整が発生する可能性があります。

主要レベル 

レジスタンス: 41,233、41,756、42,827

サポート: 40,915、39,733

戦略バイアス：

40,915を上回っている限り、強気トレンドが継続する可能性があります。

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