エランテ週間分析: 2025年12月22日 – 12月26日
今週の注目ポイント
- 年末特有の相場の流れや、比較的控えめな取引姿勢は、引き続き株式などのリスクを取る資産を下支えしていると考えられます。ただし、世界的に長期金利が上昇していることが、上値の広がりを抑える要因となっているようです。
- 米国で発表される統計の修正値や景気に対する信頼感を示す指数は、市場が祝日を前に取引が細る局面へ入る前の、最後の重要な経済指標になると見られます。
- 為替市場では、米国経済の底堅さ、慎重さが残る投資家心理、そして中央銀行ごとの政策運営に対する信頼度の違い(米国の中央銀行、日本銀行、イングランド銀行)といった要素が、相互に意識されながら取引されている状況です。
今後の展開は?
市場がクリスマス前の最後の本格的な取引週に入るにあたり、マクロの動向はイベント主導の価格再評価からポジション管理とシナリオ検証へと移行しています。
引き続き意識されているのは金利の動向です。株式などのリスクを取る資産にとっては、年末特有の相場の流れが下支え要因になると考えられる一方で、日本銀行による金融引き締めを示唆する動きがきっかけとなり、さらに米国の長期金利が底堅く推移していることを背景に、世界的な金利上昇が金融環境をやや引き締める方向に働いているようです。その結果、リスク資産には上昇の余地が残されているものの、上昇のペースは緩やかになりやすく、同時に取引量が少ない局面では、値動きが一方向に大きく振れる可能性にも注意が必要な状況と見られます。
米国では、耐久財受注や国内総生産(GDP)の修正値、消費者の景気に対する見方を示す指数に注目が集まっています。これらの発表は、景気の方向性を新たに示すというよりも、これまでの見方を確認する材料として重視されていると考えられます。市場では、米国の中央銀行が示した最新の見通しを受けた後も、「2026年に向けて経済は底堅く推移する」との想定が引き続き成り立つかどうかが意識されています。
仮に、GDP成長率が3.8%前後で落ち着き、消費者の景気認識も堅調さを保つ場合には、米国の中央銀行による金融緩和が本格的な景気刺激ではなく、あくまで調整の範囲にとどまるとの見方が広がる可能性があります。このような場合、株式市場にとっては支援材料となる一方で、実質的な金利水準の先高観を通じて、米ドルには下支えとなる場面も想定されます。
一方で、指標が市場予想を下回る結果となった場合には、年末にかけて長期債を買う動きが再び強まり、米ドルの重しになる可能性があると見られます。
この局面では、為替市場は各国の金融政策に対する相対的な信頼度に、特に注意を向けているようです。日本では金利が上昇しているものの円安傾向が続いており、これは市場が日本銀行の今後の政策運営の道筋について、まだ十分な確信を持てていないことを示している可能性があります。今後の正常化の進め方や、どの水準まで進めるのかについて明確な見通しが示されない限り、日米の金利差が引き続き米ドル/円の動きを左右しやすい状況が続くと考えられます。
欧州および英国では、月初に発表された物価統計を受けて、当面は金融政策が据え置かれるとの見方が固まりつつあります。そのため、英ポンドやユーロは、各国固有の経済状況よりも、世界全体の金利動向や米国の経済指標に影響を受けやすい通貨として取引されているようです。
株式市場への資金流入は引き続き活発に見えますが、金利の動きに対して株価評価が影響を受けやすい状態になっている点には注意が必要と考えられます。
こうした環境では、為替取引においては一方向に流れが加速する展開を想定するよりも、値動きの幅が広がるリスクを意識する姿勢が求められそうです。取引量の少なさや、市場参加者の見通しが似通っていること、さらに金利変動に対する反応が一様でないことなどが重なっています。年末だからといってリスクが小さくなるわけではなく、むしろ特定の局面に集中しやすい点には留意が必要でしょう。
今後の経済指標・イベント(GMT+9)
月曜日、12月22日
- 16:00 – 英ポンド – GDP(前期比、第3四半期)
- 16:00 – 英ポンド – GDP(前年比、第3四半期)
火曜日、12月23日
- 22:30 – 米ドル – 耐久財受注(前月比、10月)
- 22:30 – 米ドル – GDP(前期比、第3四半期・確定値)
水曜日、12月24日
- 0:00 – 米ドル – カンファレンスボード消費者信頼感指数(12月)
- 5:01 – 米ドル – 新築住宅販売件数(9月)
- 5:02 – 米ドル – 新築住宅販売件数(10月)
- 5:03 – 米ドル – 新築住宅販売件数(11月)
- 終日 – 休場 – ほとんどの市場が休場(クリスマスイブ、米国/英国/EU/ニュージーランド/豪州は早期終了)
- 22:30 – 米ドル – 耐久財受注(前月比、10月・修正値)
- 22:30 – 米ドル – 新規失業保険申請件数
木曜日、12月25日
- 0:30 – 米ドル – 原油在庫
- 終日 – 休場 – クリスマス
金曜日、12月26日
- 終日 – 休場 – 英国(ボクシングデー)
マーケット分析:注目チャート
米ドル/円 – 日足チャート
上昇トレンドは維持、政策への信頼感の差が円の戻りを抑えている可能性
米ドル/円は、引き続きはっきりとした上向きの流れの中で推移しているように見えます。足元では直近の高値付近で値動きが落ち着いており、押し戻しの目安とされる61.8%戻し(およそ155.97円)や、上向きの流れを示す線を下回らずに推移しています。
値動きの勢いを示す指標を見ると、方向転換を示すサインは目立たず、全体としては横ばいの動きが続いている状況と考えられます。また、値動きの幅が縮小していることから、取引が少ない局面では、想定よりも値幅が広がる可能性も意識されます。
メインシナリオ: 価格が155.50〜156.00の上方を維持する限り、バイアスは157.65(127.2%)および158.50(161.8%)に向けた継続を想定しています。日本銀行のフォワードガイダンスが欠如しているため、米ドル/円は日本の統計よりも米国の利回りに敏感な状態が続いているようです。
注目水準:
サポート:156.00 / 154.40
レジスタンス:157.65 / 158.50
代替シナリオ: 154.40(直近の安値)を持続的に下抜けた場合、チャネル崩壊のシグナルとなり、152.00に向けた調整の動きが開かれるでしょう。これには米国利回りの急落または日本銀行による明示的なタカ派的シグナルが必要となる可能性が高いでしょう。
英ポンド/米ドル – 日足チャート
より大きな下向きの流れの中で見られる一時的な持ち直し
英ポンド/米ドルは11月の安値から持ち直していますが、全体としては下向きの価格帯の中にあり、基調としては弱さが残っている状況と見られます。現在は1.3390~1.3465付近の節目となる水準を試しており、価格の変動幅を示す指標が上値を抑える形となっています。値動きの勢いにはやや改善が見られるものの、明確な力強さが戻ったとまでは言い切れないようです。
メインシナリオ: 1.3330〜1.3400の上方を持続的に維持できれば、主に米ドルの軟調さ(英ポンドの強さではなく)によって、1.3500〜1.3570への拡大の余地が開かれます。出来高はまだレジーム転換を確認していません。
注目水準:
サポート:1.3325 / 1.3260 / 1.3215
レジスタンス:1.3393 / 1.3465 / 1.3503 / 1.3570
代替シナリオ: 1.3260〜1.3215を下抜けた場合、回復が無効となり、特に米国の統計が高い実質金利を再び定着させた場合、1.3030付近の下値を意識した展開に戻ることも考えられます。
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